プライベートなパーティーでの演奏@ペイザン(イタリアンレストラン)
素晴らしいサービスと美味しいワイン。イタリアンな雰囲気に合わせつつ、賑やかなアンサンブルをお楽しみいただきました!
外壁のツタの良さ…!
お味もサービスも満点の、最高のレストランです。
イタリアンレストランの個室、インターナショナルな顔ぶれ。そこに沖縄音楽?!
宇部沖縄三線愛好会の会員さんからのご依頼です。
岡山県、北海道などが緊急事態宣言に入る直前、2021年5月の中旬。
うちうちの、小さな送別会で演奏させていただきました。
場所は、老舗のイタリアンレストラン。
宇部市から山口県阿知須へと車を走らせると、目を惹く外観の洋館がひっそりと佇んでいるのが、緑の多い県道から見えてきます。
グーグルマップのストリートビューより。駐車場も広々。
→お店のウェブサイトはこちら / →食べログはこちら
出演時にサービスしていただいた軽食の写真を少々。
会場は、お店の2階。パーティー会場を貸切で。
少人数の会合ですので各々の距離は余裕があり、ゆったりとした間隔でセッティングしてあります。
本来は、クラシックのアンサンブルをお呼びする予定だった、とのこと。
ひと月前の4月に、愛好会会員のUさんから最初にこのお話を伺った時は、
「え、私たち、沖縄音楽ですよ?!いいんですか?!」
と思わず確認したほど。
このレストランの雰囲気や、パーティーの趣旨に、沖縄ワールドがマッチするんでしょうか?と。
Uさん、汗をかきかき、「実は、クラシックのアンサンブルに最初にコンタクトを取ったのですが、残念ながら日程が合わないそうで…。幹事をやっている方にりりあさんのビデオを見せたら、『これ!これでいい!』とのことでして…。」
Uさんが幹事さんにお見せしたビデオって、Uさんの自宅練習用として、課題曲の「芭蕉布」を私がゆっくり弾いて歌い、それをUさんがご自分のスマホで撮っただけのものです。
幹事さんは、ヨーロッパ出身の方。いいのか、本当に。
打ち合わせを重ねるなかで、
もともとはクラシックのアンサンブルをお考えだったこと
会場にピアノがあること
私ひとりでは、会場の「洋風」な雰囲気に太刀打ちできそうにないこと
などを考え合わせ、三線とピアノとフルート(時々ピッコロ)のアンサンブルである「ちょっちゅね〜」で出演することにしました。
目的は、思う存分楽しんでいただくこと。そのための工夫を凝らしました!
よく知られている曲を中心に、セットリストを組みました。
参加されるのは、40代から60代の男性の方々、うち海外出身の方が2名。
日本全国誰でも口ずさむことができるくらいにポピュラーな、新しめの歌謡曲だけでセットリストを組むことにしました。
海の声
島唄
オジー自慢のオリオンビール
涙そうそう
…and more?(アンコール用に準備した曲)
あれ?「島人ぬ宝」は?
と思われるかもしれませんが、ピアノ小林が
「『島人ぬ宝』は、しばらくやっていないので、できると思うんだけど、練習しないと…」
とのことで、この時期「むべの里音楽祭」ほか、ちょっちゅね〜以外の音楽活動やプライベート、そして仕事でも超多忙な小林のためにセットリストから外しました。
むべの里音楽祭の記事はこちら。
「イタリアンなメニュー(っぽいプログラム)」を作成しました。
先ずは、画像をご覧ください!
私個人のことですが、あまり詳しくないジャンルの音楽を聴きに行くときは、「プログラム」があるととても安心するのです。
曲目以外にも、曲の雰囲気や成り立ち、興味深い小話などが入っているとさらに嬉しい。
なので、今回、沖縄音楽に詳しくない方にも安心してお楽しみいただけるように、このような小道具を用意することにしたのでした。
前菜
ANTIPASTO
海の声
Umi no Koe
吹き渡る海風に乗せた、切ない思い。
汐風香る、フレッシュな前菜です。
曲を料理に例えるのは初めてです。
何処と無くこっぱずかしい気持ちもありますが、このまま突っ走ります。
第一の皿
PRIMO PIATTO
島唄
Shima-Uta
ウージとは、サトウキビのこと。
ウージの森で、あなたと出会い…。
永遠の友情を唄い上げます。
デイゴの花が咲き、さざ波に揺れ、ウージ畑が広がる…。
沖縄のエッセンスがぎゅっと濃縮された一品です。
普段、こういう文章を書くことってないですよね…。
ビバレッジ
BEVANDE
オジー自慢のオリオンビール
Oji-Jiman no Orion Beer
人を、場を、世界を平和に。
軽やかな味わいをお楽しみください。
こちらは、オリオンビールのキャッチコピーから。
第二の皿
SECONDO PIATTO
涙そうそう
Nada Sousou
テーマは「Remembrance(追憶)」
いつまでも、いつまでも、胸の中に蘇る、あの笑顔。
滑らかな舌触りの中、涙のスパイスが光ります。
よろしければ、ご一緒に歌ってください。
このあたりで気恥ずかしさがなくなり、どんとこい、みたいな気分になってきました。
「ご一緒に〜」の部分は、心のなかでご一緒に、ということにしました(感染対策)。
さて、当日の本番!
メニュー作戦、大成功!
宴が盛り上がった頃に出番のお声がかかりました。
パーティーの主役であるYさんには内緒の、サプライズの演奏です。
何事かと驚いておられるYさんたちに「スペシャルメニューでーす!」と上記の手作りメニュー(のようなプログラム)をお配りしたところ、これが大当たり。Yさんはじめ、皆さま、メニューを一瞥したあと、大爆笑。
おかげでイタリアから沖縄の世界へとスムーズに皆さまを誘うことができました。
曲目の紹介も、「それでは、プリモ・ピアット、沖縄からのフレッシュな風味をお楽しみください!」と調子に乗りながら。
そんなノリを笑って拍手で迎えてくださる、素敵なお客様がた。
今回、ヨーロッパ出身のお客様が、お二人おられました。日本生活が長く、日本語が非常に堪能でおられるのですが、三線の説明をしているときに「今のはちょっとわからなかった」という顔をしておられたので、そこだけ英語に切り替えてお話ししました。
リクエストで「島人の宝」。そしてアンコールは「笑顔のまんま」!
「オジー自慢のオリオンビール」で盛り上がり、「涙そうそう」でしっとりとした空気に。
そこで、ひとりのお客様から「『島人ぬ宝』が聴きたいです」とのリクエスト。
よっしゃ、任せてください。
私の三線と唄、尾崎の三板(さんば。沖縄のカスタネット)、小林の手拍子、そしてお客様の「ヒーヤーサーサ!!」でグルーヴ感たっぷり、渾身の力を込めて歌い上げました。
引き続きアンコールのお声がかかり、「ドルチェ(デザート)」として、「笑顔のまんま」。
今回、Uさんからお聞きしていたのが
「本来なら会社をあげてYさんの送別会をしたかったんです。でも、こんなご時世なので、それは取りやめになりました。でも、Yさんがとにかく、非常に良い人で、僕もたくさんお世話になっているんです。どうしても何かをしたい、喜んでもらいたい、ということで、同じような思いを抱える少人数で、決行することにしました。」
ということ。
会社を退職されるとしても、これから続く、長い長い人生、どうか笑顔のままで。
そんな思いを込めて選んだ曲ですが、気になるのが「そんなあんたはほんまにアホや」等と繰り返される「アホ」という言葉。
ここは、大阪出身の尾崎から、決してバカにしている言葉ではないこと、むしろ愛を込めた呼びかけであることを説明してもらいました。皆さま、うんうん、と納得しておられました。
「笑顔のまんま」を歌いながらパーティーの主役のYさんの笑顔を見ていると、Yさんがどれほど良い人で、どれだけこの場の皆様に慕われているかが、まるで何十年も知っている人であるかのように胸に迫り、なんだか涙が出てくるのでした。
心配したミスマッチも、結果、素敵なマッチングに。
おおいに喜んでいただけたとのことです…!
翌日、Uさんから「ありがとうございました。皆さん、絶賛でしたよ。」との言葉とともに、演奏時に撮影してくださった写真が送信されてきました(この記事で使用している画像です、ありがたい!)。
老舗のイタリアンレストランの雰囲気と沖縄音楽とのミスマッチを心配していましたが、今回は奇跡のような一体感を味わうことができました。
外食やパーティーの肩身がどんどん狭くなるなかで、このような機会を得ることができて嬉しく思うとともに、楽しい会合を気兼ねなく催せる世の中に早く戻ってくれることを心から願うばかりです。
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