「さとうきび畑」の工工四
「さとうきび畑」という曲と、その周辺
まずは、工工四をご覧ください。
…歌詞が、長い?!
歌詞が、11番まであります。
この曲のWikipediaを見ても、「歌詞が長いこと」についてかなりの文字数を費やしています。
(前略)
全部で11連からなり、通して歌うと11分近くを要するため、大抵は要所要所カットして歌われる。
(中略)
1975年にはNHKの音楽番組『みんなのうた』でちあきなおみの歌唱で紹介されたが、このときは2、3、11番だけという超ショートバージョンの形で録音・放送されている。
1997年には、森山が『みんなのうた』で、1、2、3、8、11番という、ちあきのバージョンとは異なる形のショートバージョンを「みんなのうたバージョン」として録音し、放送された。
(中略)
2001年12月5日に、森山は、11連全ての詞を歌う録音を「涙そうそう」とのカップリングでシングル発売し、この曲の歌唱で2002年の第44回日本レコード大賞では最優秀歌唱賞を受賞した。
2002年3月27日に歌手のEPOがカバーシングルとして、EMIミュージック・ジャパンからさとうきび畑のマキシシングルを発売。歌詞は1、3、8、9番となっている。なおこの曲は1995年9月27日発売のアルバム「UVA」に収録されていたものをシングル化したものである。
沖縄民謡経験が長い方なら、11番なんて、さして長いとは思えないかもしれません。
※例として、収納奉行(しゅぬぶじょう)節、高那(たかな)節、黒島口説(くるしまくどぅち)etc,.. そしてラスボス金細工(かんぜーく)節。金細工節のリンク先には歌詞が4番までしかありませんが、実際は21番まであります…!ましてや、「さとうきび畑」はひとつひとつの歌詞が短い上に共通する語句が多いですから、「長い曲なんて、もっとざらにあるよね?」という気持ちにもなりますが、一般的には、11番まであれば結構長いと言える…、のではないでしょうか。
繰り返しが多いので、分解して説明します。
パートA
1番から10番まで、共通したメロディーをまとめて【パートA】としています。
さらに、上図をご覧になるとわかるように、メロディどころか、歌詞もだいぶ同じことの繰り返しになっています。
気を付けないといけないのは9番と10番だけ。
このパートAだけで、全歌詞のなんと52.5%を占めています(計算しました)。
弾くのも歌うのもそれほど難しくないうえに、これだけで半分以上、完成!
楽勝ですね。
パートB
さて、一番ややこしい部分かもしれません。【パートB】です。
歌詞は、「夏の陽射しのなかで」のみ、共通です(1番と9番は同じ歌詞です)。
あとは、心の中でストーリーを組み立てて、想像しながら歌いましょう。
さとうきび畑の緑の波がうねる
海の向こうから戦争がやってくる
お父さんが死んでしまう
戦争が終わった日に、私が生まれる
お母さんの子守唄が聞こえる
お父さんに抱かれた夢を見る
お父さんの面影を探して畑の道をさまよう
(8番:お父さんへの思いを述懐)
再びさとうきび畑の緑の波がうねる
風に悲しみを訴える
(11番:この悲しみは消えない)
さて、パートA&パートBがこの曲に占める割合は…?!
あとは駆け足で参ります。
8番
11番
最後の「消えない」は、アカペラで、情感を込めて歌い上げましょう。
めでたく完成したところで、この曲にまつわる思い出などをだらだらと書きたいと思います。
誰の、どのバージョンの「さとうきび畑」が思い出に残っているか
森山良子さん、ですよね。
やっぱり、「森山良子さんの声で覚えている」方が多いのではないでしょうか。
かく言う、私もその一人です。
上記に掲載した工工四の調弦は、この動画のキーに合わせてB-E-Bの本調子としています。
ちあきなおみさんバージョン
Wikipediaにあったように、1975年にNHK「みんなのうた」でちあきなおみさんの歌唱がお茶の間に届けられました。
私は当時4歳。
記憶になかったので、YouTubeを探したら、ありました!
ただ、森山良子さんの動画と違い、公式のチャンネルではない可能性がありますので、ここに掲載するのは控えます。
ご興味のある方は、検索してみてください。
魂を揺さぶる、すごい歌声です。
あの名作ドラマを語らないわけにはいかない。
ここで、2003年に放映された、テレビドラマ「さとうきび畑の唄」の話をしないわけにはいきません。
森山良子さんの歌声が私の記憶の中の「さとうきび畑」なのは、このドラマの影響です。
明石家さんま演じる大阪出身の写真館店主、平山幸一は、那覇で仲の良い妻と5人の子どもたちに囲まれて楽しく慎ましく幸せに暮らしています。
そこに、戦争の影が忍び寄り、幸一のみならず大きくなった子どもたちが次々に召集され、さらに沖縄で本土決戦が始まり…。
物語の最初と最後に、森山良子さんの歌う「さとうきび畑」が美しく優しく、響きます。
胸の中に大きくて重い課題を突き付けられるドラマです。
なお、YouTubeにはこのドラマが全編、アップされています。
ですが、上記ちあきなおみさんの動画と同じ理由で、ここに貼るのはやめておきます。
ご興味のある方は、検索してみてください。
長いかもしれないけど、難しい曲ではありません!
なんとなく湿っぽい話になってしまいました。
とにかく、この曲は決して難しい曲ではありませんので、気軽にチャレンジしてみてください!
コロナ禍で披露する場所がなくても、一人でしみじみと弾き語るのにふさわしい、いい曲ですよ。
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