海外製人毛ウィッグは品質が悪い、という噂の検証:その2(完結)
この記事は、以前あったブログ記事に加筆修正の上、転載したものです。
海外製ウィッグは粗悪品?!(その2)
寝ても覚めても頭から離れないヘアロスによるウィッグの悩みに寄り添いたい、ウィッグリリアの島袋です。
巷でささやかれている、「海外の人毛ウィッグは粗悪品」という噂は本当なのでしょうか?完結編です。
その1はこちらをどうぞ
今回は、外部要因(私が直接やらかしたことではないこと)について
まずはウィッグの材質である毛髪について、次にアフリカ系女性向けウィッグ産業そのものについてお話しします。
前回の記事では、「海外製人毛ウィッグが長持ちしなかった」理由のうち、「内部要因(私がやらかしていたこと)」だけを取り上げました。
まあまあやらかしているな、と自分でも思います。
私のウィッグの扱い方に問題があったことは認めざるを得ませんが、今回はそれ以外の、製造側による「長持ちしなかった(粗悪品と言われても仕方なかった)理由」をまとめていきます。
はじめに、原材料である人毛の特徴と品質について。
次に、この産業全体が抱えている問題について、私の実感を元に取り上げてみます。
毛髪について
日本大手メーカーの人毛ウィッグよりも、髪が細く柔らかいウィッグです。
人生のうち、90パーセントの期間をハゲ頭で過ごしており、ウィッグ歴も40年になります。
幸い、両親のおかげで人生最初のウィッグから100%人毛のものを使わせてもらっていました(私のハゲ&ウィッグ人生についてはこちらをご参照ください)。
渡米して、日本製人毛ウィッグからアフリカ系アメリカ人のための人毛ウィッグに買い換えたときに感じたのが、「この髪、細いぞ?」ということでした。
感触が悪いとかではなく、細くて柔らかく、ウェーブがかかっており、日本人の硬い直毛とは違う手触りだなあ、と感じたのです。
原材料である人毛の産地の違い
アフリカ系アメリカ人向けのウィッグには、産地が明記されていることがほとんどです。
一番多いのがブラジル、次にインド。
そしてペルー、マレーシア、中国、と続きます。
どこの国の人毛が細いか太いか硬いか柔らかいか、なんてピンと来ませんよね。
ただ、「日本人を含む東アジア人の髪は、他の地域の人種の髪よりも硬くて太い(もちろん個人差があります)」ことを大前提とさせてください。
海外で暮らしたことがある方なら、「現地の美容院に行くと変なカットにされてしまう」ということに心当たりがある方が多いのではないでしょうか。その土地の人々よりも日本人の髪が太くてまっすぐなため、扱いきれないことが原因です。
ですので、海外製の人毛ウィッグはほとんどの場合、日本人の毛髪よりも細くて柔らかく感じる可能性が高い、と言えます。その中でも「インドは細くて柔らかく素直な髪」「ブラジルは細くて柔らかくウェーブがかった髪※記事の末尾注をご参照ください」「マレーシアは中細でウェーブがかった、インドよりはコシがある髪」「ペルーはまっすぐで、硬めでコシのある髪」「中国は日本人に近い、太くて硬めの髪」のことが多いイメージです。
髪が細い、ということは、保護膜であるキューティクルも薄い、ということ。
髪の構造について、みなさまどこかできっと「タンパク質の芯にうろこ状の保護膜であるキューティクルが何層かに渡って巻きついている図」をご覧になったことがあるかと思います。
「キューティクル」で画像検索するとたくさん出ます。
このキューティクル、髪が太い人は8層くらいあるらしいのですが、細い人は2〜3層なのだそうです。
髪が細いと、その分保護膜も薄いため髪が傷みやすい、ということになります。
日本の人毛ウィッグよりも髪が細い海外製人毛ウィッグが早く傷みやすいとしたら、「髪が細い」ということは大きな理由の一つになり得ると思います。
<次ページ、アフリカ系アメリカ人女性にとっての、ウィッグとは。>
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