大手メーカーでウィッグを買ったらヘアカットを失敗されて泣き寝入りした話
この記事は、以前の「ヅラ生活のすゝめ」の記事に加筆修正の上、転載したものです。
ウィッグのカット、失敗したくないですよね。
寝ても覚めても頭から離れないヘアロスによるウィッグの悩みに寄り添いたい、ウィッグリリアの島袋です。
大昔、まだ私が国産の大手ウィッグメーカーの人毛ウィッグをン十万円で購入していた頃の話です。
数十万円のウィッグを1年半から2年ごとに買い換える、という生活
ウィッグであっても、毎朝出かける前にヘアスタイリングをします。
朝、ヘアスタイリングをしていて、髪がバッチリ決まったときって嬉しいですよね。
特別な日でなくても、どことなく気持ちがウキウキするものです。
しかしときには髪がどうしても決まらない、という日もあるわけです。
そんな日は気持ちがどんよりして、会社にいても学校にいてもなんとなく盛り上がりに欠ける気分で一日を過ごすことになりがちです。
そんなどんよりな日々を2年間強制的に過ごす羽目になったお話です。
レースウィッグに出会う前のことです。
今愛用しているレースウィッグに出会う前、子ども時代(1980年頃)から渡米(2004年)まではずっと日本の大手メーカーの人毛ウィッグを使っていました。
構造的には「安価でクラシックなタイプ」のウィッグでしたので、生え際を出すこともツインテールにすることもできないうえにキャップの大きさの指定もできませんでした。が、値段だけは一丁前で、セミロング程度の長さでも30万円以上する高級品でした。
子どもの頃からお世話になっている大手メーカーだから、と浮気もせず他のメーカーを探すこともせず、ただ傷んだらそこで買い換える、というサイクルで過ごしていました。
おでこも耳も襟足もあらわにすることができないウィッグなので、ヘアスタイルはオカッパ一択。傷んだ毛先をカットして、これ以上短くできなくなったら買い替え、というサイクルです。だいたい1年半から2年に一度、買い替え時期が訪れました。
デパートの中にあった、某大手ウィッグメーカーの小さな店舗に行っていました。
ネットが今ほど発達していなかった時代です。ウィッグ購入のためには店舗があるデパートへ直接行かねばなりません。
数十万円の出費が心にのしかかって潰れそうでした。
髪があればこんな思いをしなくて済むのに神様は不公平だと嘆きながら、本来ならお祭り会場でありハレの場である巨大デパートメントストアまで暗い気持ちで電車に揺られて赴いていたのでした。
当時、ウィッグを買うためには最低でも2回、店舗に行かねばなりませんでした。
デパート内の店舗は狭く、ディスプレイ用のウィッグしか置かれていないため、あらかじめ電話で「セミロング・黒・人毛・できたら小さいサイズ」のウィッグを試着させてもらえるようお願いします。
予約した日時に出向いて試着と注文と支払い、これが1回目。出来上がるまで約2週間待って「ご用意できました」の電話をもらったらウィッグを取りに行きます。これで2回。
暗い面持ちで購入したにもかかわらず、やはり新しいウィッグが届いた連絡は嬉しいもので、2回目のデパート訪問は1回目よりもずっと軽やかな気持ちで出かけたものです。
新しいウィッグをその場で着けて、お出かけする予定がありました。
そのときも、ウィッグを受け取るために足取り軽くデパートへと向かいました。新しいウィッグをその場で装着して、そのあと友人たちと飲もう、と約束していたのです。ウキウキでした。
よく考えればわかることなのですが、普段は朝にドライヤーなりヘアムースなり色々使ってスタイリングしているんですよね。それをすっかり忘れていたのです。
装着した新品のウィッグは、まさに「異物を頭に被ってます!」と言わんばかりに自己主張し、とてもそのまま飲み会に行けそうもない不自然さを全力で醸し出していました。いつもそうなのに、2年に一回というある意味レアなイベントなせいかそれとも私の頭が悪いのか、そのこともすっかり失念していました。
困っていたら、担当のお姉さんがにこやかに「カットいたしましょうか?」と声をかけてくださいました。
藁にもすがる思いで…
キレイで上品で信頼できそうなお姉さん。
迷いなく、「お願いします」と言っている自分がいました。
小さな試着室で、ケープを掛けてもらって鏡の前に座ります。お姉さんの動きも鏡ごしによく見えます。
…おお、神よ。お姉さんの動きがすごくぎこちないではないですか。ハサミを持つ手が迷いまくり、でも切るとなったらかなりざっくりいっちゃってます。
さすがに恐怖心が芽生えて「美容師の免許を持っておられるんですか?」とおずおずと聞いてみたら「ウィッグを切るためには免許必要ないんで〜」とのこと。しまった!と思いました。
30分後、鏡の中にケープをかけたリマール(画像検索結果)がいました。
飲み会をドタキャンし、自宅でピザをやけ食い
そのあとのことはもうあまり覚えていません。
気づくと池袋から電車で20分の自宅アパートで、夜更けにデリバリーのLサイズピザをひとりでやけ食いしていました。携帯には、メールで友人たちにドタキャンの連絡&お詫びを送信した記録が残っていました。
次の買い替えまでの間、リマール頭をなだめながら、でも鏡を見るたびに暗いため息をつきながら過ごすことになりました。貴重な20代の2年間なのに。
ウィッグの髪は伸びない、という(当たり前の)教訓
切るときは、信頼の置ける人に頼んで、慎重に
ウィッグリリアでは「長いままでお届けして、お客さまが自分で(または誰かに頼んで)カットする」ことを前提とした商品を販売しています。
前髪を作るのも自由、レイヤーを作ってもいいし、ぱっつんにしてもいい。自由なスタイルを楽しんでいただきたく思っています。
ご自身でカットをされる際は、勢いよく切りすぎないよう、くれぐれもご注意ください。事前にYouTubeなどでセルフカットの方法をご覧になるのもよいかと思います。
どなたかにカットをお願いされる場合も、きちんと技術のある方、できれば美容師さんを探してください。
理解のあるお店でしたら「ウィッグですのでシャンプーなしで、カットだけお願いします」ということも可能です。また、ヘアダイやパーマのようにどうしても直前にシャンプーが必要な施術の場合は、ウィッグごと美容師さんに預けることもできます。
皆さまが、自分にピッタリのウィッグで、お似合いのヘアスタイルで、毎日ウキウキと楽しく過ごせますように!そう、心から願っています。
余談ですが
そうそう、ちなみに、某大手メーカーは健在ですが、私が行っていた池袋の店舗はすでにありません。
この記事を読んだ皆さんが検索して「あのメーカーさん、信用ならないわね」的な心情をお持ちになってはいけないので、余談ですが、書き添えることにしました。
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