【やってはいけない】その2:マジックカーラー・サーモカーラー
正しいカーラーの選び方、使い方
寝ても覚めても頭から離れないヘアロスによるウィッグの悩みに寄り添いたい、ウィッグリリアの島袋です。
やってはいけないシリーズ第2弾は「カーラーは慎重に選ぶべし」という教訓です。ウィッグを一つ、あっという間にダメにした自分の体験に基づいています。
美容師もオススメのマジックカーラー・サーモカーラー。どうしてダメなの?
カーラーというものがあります。髪をくるくるにする、小さなロール状の道具です。
ヘアアイロンと比較すると時間がかかりますが、熱で髪を傷めることがないため、時間があるときは私も愛用しています。
このカーラー、材質の違いによっていくつかに種類がわかれます。その中で「これはウィッグに使ってはダメ」というものがあるのです。
それが、このタイプ。
一般的にはマジックカーラーと呼ばれています。また、中にアルミの筒が入っていて効率的にドライヤーの熱を伝えるサーモカーラーという商品もあります。
商品自体に欠陥はなく、むしろ美容師さんからオススメされるほどです。
しかし、ウィッグに使用するのはまったくお勧めできません。なぜなら、ウィッグの細い髪がカーラーの表面の毛羽立ちに絡みついて、カーラーがウィッグから外れなくなってしまうからです。
私の場合は、無理やりひっぺがすように毛髪を剥がしたところ髪がボロボロになって、どうあがいても元には戻らず、ウィッグひとつ丸ごとダメにしてしまいました。
表面がマジックテープのように毛羽立っているカーラーは、ウィッグには絶対に使用しないでください。
マジックカーラーでなければ、カーラー自体はオススメします!
カーラーの使い方
上の写真のように、プラスチックの軸にスポンジが巻いてあるタイプのカーラーでしたら、ウィッグにも使用できます。
使い方は以下の通り。
- ❶ ウィッグはシャンプー、コンディショナーをして、タオルで水分を拭き取ります。
- ❷ キャンバスヘッド(※下に写真があります)をラップかビニールで覆って防水します。
- ❸ 防水したキャンバスヘッドにウィッグをマチ針で固定します。
- ❹ カーラーの数だけブロック分け(※後ほど図解します)をし、クチバシクリップやヘアゴムを使って絡まないように固定します。
- ❺ カーラーを巻き付けます。
- ❻ サーキュレーターか扇風機で乾かしながら数時間から一晩放置します。
- ❼ カーラーを丁寧に外します。
- ❽ 手櫛で軽くほぐして、できあがり。
キャンバスヘッドとは、これです。
ウィッグ生活にこれがあるのとないのとでは快適さが段違いです。ぜひ手に入れることをお勧めします(ウィッグリリアでもいずれ取り扱う予定です…。2021年中には…!)。
ブロック分けについて
ブロック分けについては、下のイラストをご参照ください。
今回は、32個のカーラーを使用して前髪のないロングヘアウィッグ全体にカールを付けたい、というケースを想定しています。
8等分した時点(上から見た図)で、ゴムで軽くそれぞれのブロックを束ねておきます。一つの束を上から4等分する(横から見た図)、ということになります。
髪の束をひとつ手に取り、軽く縛ったゴムを外し、上から目分量でいいですので4分の1の束を手に取り、くるくる、とカーラーで巻いていきます。
ひと束で4回(4個のカーラー)。8ブロックありますので、それを8回繰り返します(4×8で32個のカーラー)。
(ここからは、やや余談ですが)今回、撮影のために、なんと40個もカーラーを使いました。
図解まで描いたわけだから、32個に抑えておけばよいものを、40個あったので全部使ってしまいました。写真を撮りましたので、よかったらご覧ください。
↓4分の1ほどつけた状態です。
↓40個全部付けました。
↓この、ハンガーにかけた状態でサーキュレーターを当てながら一晩おきます。
↓タイムワープして、翌日です。全部外したところ。
↓指で軽くほぐしました。
カールがきっちりつくのはわかっていたんですが、ロングヘアーに40個のカーラーを全力で巻くとなかなかすごいことになる、ということがわかりました。
皆様におかれましては、適宜カーラーを減らすなり毛先だけに巻きつけるよう調整していただけたら、と思います。いやしかし、これはこれで、好きな髪型だなあ。イングヴェイ。似合わなかったけど(泣)。
マジックカーラーにだけ、気をつければオッケー!
ウィッグだからこそ、できることでもあるんです。
自分の髪ならブロック分けも大変ですし、長時間カーラーをつけて過ごすのも、カーラーを頭全体につけて寝ることも(ゴツゴツしますから)難しいと思います。
ウィッグなら、少しの手間をかけたらあとは放置するだけで勝手にカールができてしまいます。
化繊のウィッグにカーラーでカールは付けられません。人毛ウィッグであることが前提です。
また、髪は必ずある程度濡れた状態であることが必要です。乾いた髪にカーラーでカールを作ることはできません。ヘアアイロンは、逆に乾いた髪でないと効果が発揮できませんのでご注意ください。
こちらの記事もどうぞ