【海外ウィッグ情報】鏡を使ってベースをクリーニング、ミラースライド。
海外の選り抜き記事。今回は「ベタベタするグルー(糊)を、鏡を使って取り除く方法」について、です。
寝ても覚めても頭から離れないヘアロスによるウィッグの悩みに寄り添いたい、ウィッグリリアの島袋です。
今回は、海外のウィッグセラーのウェブサイトより「ミラースライド法」という聞きなれない、でもとても便利そうなウィッグ(またはヘア・リプレースメント・システム)のクリーニング法を日本語訳でお届けします!
ヘア・リプレースメント・システム(HRS)のクリーニングをするにあたって、留意していただきたことがあります。それは、「ベースにグルーのベタベタを感じられなくても、見えなくても、まだグルーの成分はそこにある」ということです。
次に装着するときの妨げにならないようにするために、HRSを取り外したらきれいさっぱり、グルーを取り除く必要があります。
以前のグルーが残っていると、そこにベースや髪が絡んで、装着が難しくなるのです。
今日ご紹介する「ミラースライド法」は、レースベースに付着したグルーのベタベタを取り除く、最も安全かつ望ましい方法です。なぜなら、この方法ならソルベント(※注1)の使用量が非常に少なくて済み、ウィッグやHRSの髪を傷めることがないからです。
しかしながら、この方法はスキンベースやポリペースには不向きです。スキン素材やポリ素材は鏡に擦り付ける際に伸びてしまう可能性があるからです。
※注1
ウィッグリリアのオリジナルリムーバーではなく、WalkerTapeのC22など、グルー用の溶剤のことを指します。
ミラースライド法を始める前に
テープを使っている場合
リムーバー(ウィッグリリアのリムーバーのような、テープに適したもの)を使用して、テープを剥がしてください。リムーバーが蒸発して乾くまで、数分置いてください。その後、下記の指示に従ってください。
ウィッグ、またはHRSの髪が長い場合
髪にソルベント(C22など)が付くのを最小限に抑えるため、また、髪のもつれを防ぐためにも必ず髪を三つ編みにしたまま下記のプロセスをおこなってください。
必要なもの
ヘア・リプレースメント・システム(HRS)
壁掛けの鏡
グルーを溶かすソルベント(C22など)
洗面台のシンク
食器洗い用洗剤
目の粗い櫛
ラップ
ガラスクリーナー
必需品
あったほうがいいもの
では、実際にミラースライド法をやってみましょう。
レース用リムーバーが完全に蒸発してベースがドライな状態になったら下記の手順でミラースライド法をおこなってください。
準備をしましょう:台所用のラップを大きめにカットして、鏡に貼りつけます。その際、シワや空気がなるべく入らないよう、気をつけましょう。以下のディレクションのように、鏡の表面ではなくラップの表面を使うことで、後片付けが格段に楽になります。
ステップ1: HRS(またはウィッグ)を鏡に向かって正しく構えましょう。
髪のあるほうを自分に向けて、両手で端っこを持ちます。ベース(グルーが残っている側)を鏡に向けます。
ステップ2: ミラーに擦り付けます。
ベースの縁の、グルーが残っているスポットに狙いを定めます。その部分を鏡に強く押し付けます。
強く押し付けたまま、下のほうにスライドさせます。グルーがベースから剥がれて鏡(ラップ)の上に移ります。
すでにグルーが付いてしまった鏡(ラップ)の部分に、重ねてスライドさせるのは避けてください。せっかく剥がれたグルーがまたベースに移ってしまいます。
ステップ3: ベース全体にミラースライド法を施します。
スライドさせた部分のグルーがきれいに取り去られたのを確認したら、HRS(ウィッグ)を少しずつ回し持って、同じように鏡に押し付けてスライドさせます。同じことを繰り返して、ベースの縁全体のグルーを落とします。
縁が終わったら、グルーのベタベタが残っている他の部分も同じようにスライドさせてグルーを落としましょう。
ステップ4: ソルベントをスプレーします。
ベース全体をミラースライドさせたら、グルーが付いていた部分にソルベント(C22など)をスプレーします。ミラースライド法でかなり落とすことができているとは言え、最終的にはベースの繊維の中までソルベントを使ってグルーを溶かして落とす必要があるのです。
スプレーしたら、そのまま10分から15分放置します。
もし、時間がなくてこの後のプロセスを後回しにしたいなら、ここがチャンスです。スプレーしたHRS(ウィッグ)のベースを表にして、髪にソルベントがなるべく付かないように、タッパーウェアのような容器に入れてしっかりと蓋をしてください。数日、または数週間後であっても、次の工程を再開するのになんの問題もありません。ベースに軽くスプレーした程度のソルベントは、髪を傷めることはありません。
鏡をきれいにするには
ソルベントを軽く鏡にスプレーして、キッチンペーパーで拭き取ってください。さらにその後、市販のガラスクリーナーを使って磨いてください。
ステップ5: 食器用洗剤をベースに塗ります。
次回の装着の前に、ソルベントを完全に落とす必要があります。ソルベントが残っていると、グルーやテープが付かなくなるのです。
ソルベントが十分にベースの繊維の中のグルーも溶かしきったら、ソルベントを落とすために食器用洗剤を使います。
ステップ6: ベースを洗います。
ソルベントを洗い落とすために、ベースを表にして両手で押さえ、蛇口の下に置きます。水を少しずつ出しながら、両手の親指を使って食器用洗剤を泡だてます。服に付いたシミを落とすような感じで、優しくこすり洗いをします。
全体に洗剤が行き渡ったら、一旦すすいで、またステップ5から繰り返します。
髪の側を上にした状態で、すすぎをしないようにしてください。髪の毛がベースの網をくぐり抜けて裏側へ入り込んでしまう原因となります。
ソルベントが完全に落ちたら、食器用洗剤が残らないよう、水でよくすすいでください。
ステップ7: 最後の仕上げ
髪を三つ編みや一つ結びにしているなら、解いて、目の粗い櫛で慎重にとかしてください。その後、シャンプーとコンディショナーで仕上げてください。
以下、島袋による追記です。動画でしゃべっているけど文章には記載がない、ミラースライド法の注意点です。
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事前にソルベントをスプレーしないでください(ミラースライド法の後に、ソルベントを使います)。
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表面がツルツルした場所があれば、鏡の代用になります。しかし、かなりの圧力で擦り付けるため、しっかりとした素材で、ぐらつかないことが大事です。
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食器用洗剤は、油脂を落とす力が強く、肌への保湿成分があまり入っていないものを選んでください。
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仕上げのコンディショナーがベースに残ると、次回装着の際にグルーやテープが付きにくくなります。ご注意ください。
Translated and Edited by Lilya Shimabukuro
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